癒しを追及するカウンセラー・鈴木孝信の「心が強くなる心理学」

鈴木孝信が贈る、欧米の最先端心理療法に基づいた、読むだけで心が強くなる心理学情報ブログ

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安全な音は癒しを促す

   

カウンセリング内の安全性について、目下取り組んでいると述べました。カウンセリング内の安全性とは、クライアント/患者さんが、そこに「素のままでいられる」空気のことを指します。これがないことには、カウンセリングには効果が限定されます。

その取り組みの中で開発したのがTIPモデルという共感に根差した心理療法です。これについては、おいおい話していきますが、今回お話ししたいのが、音の刺激です。この音を使うと、どんな心理療法でも安全性を促進できると仮定しています。

安全な音は、脳が無意識に「危険がない」と判断する手がかりになります。これは ポリヴェーガル理論 で説明され、やわらかく規則的な音(声や波音など)が入ると、扁桃体の警戒がゆるみ、腹側迷走神経が働きます。その結果、心拍や呼吸が整い、安心して人と関われる状態が生まれます。つまり音は、考える前に身体を「安全モード」に切り替える鍵なのです。

特にこの音が「動く」と安全性が促進されます。業界用語で「パン」と言いますが(ストレオ音源で、音の出どころが変わるように聞こえる:右から左、左から右に音の出どころが動いて感じられる)これは、環境を安全だと感じ、また包囲感を作り出すので身体境界がはっきりし、落ち着くとされています。

このため、パンが効いた安全な音を聴きながらカウンセリングを実施すると、TIPモデルのように、特別安全性に着目した関わりをしなかったとしても、通常のカウンセリングがさらに安全に感じられ、効果が高まると考えています。

このような背景の中で、僕が具体的にどんな取り組みをしているかは、次回更新する際にまたお話ししたいと思います。

 - 安全性への取り組み