癒しを追及するカウンセラー・鈴木孝信の「心が強くなる心理学」

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パニック発作を止める認知療法:ナッシュビル武者修行-2

      2018/03/22

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飛行機に乗り遅れそうになるという幸先の良くないスタートで始まった米国修行。体調不良や久しぶりの渡米(というか久しぶりの英語生活)などの不安要素を抱えながら10月7日、東京発ミネアポリス行きの飛行機に乗り込みました。

大学時代の、また院生時代の自分と何が変わったのか、機内での時間はそんなことを思いめぐらしていました。過去に必要だったものを今持っており、今必要なものを過去に持っていたようにも思える。過去に必要だったのは、1歩目を踏み出した後の慎重さ。今必要なものは、1歩目を踏み出した後の勇気。

初めて渡米したときのことが頭に浮かびもしました。到着先の空港に着くなり救急車で病院に連れて行かれる程の激しい緊張はないけれども、そこまでの身の乗り出し方を今はしていない。どこかでいつも身を引き遠くから自分を観察している。過去に欲しかったものだが、得てみるといらなくも思える。

10時間強の渡航はそれ程長く感じませんでした。以前の様な「食事をただ待っているだけの退屈な時間」ではなくて、食事を忘れる程、湧き上がる考えをめぐらす作業に没頭していました。

現地時間15時。空港の窓を通して映るアメリカ特有の建物と道路の様子を、以前は「日本と全然違う」と不安の要素(興奮の要素)と捉えていましたが、今回は「日本と変わりないな」と感じました。ミネアポリスからナッシュビル行きの国際線には、アジア人は誰一人としていませんでしたが、昔の僕なら同じアジア人と言うだけで少し親近感を感じて安堵の念を感じていたとろ、今の僕は「アジア人(日本)としての僕」ではなく「僕としての僕」を感じていた自分に気が付きました。

ナッシュビルへの到着は17時40分頃。空港から10分程度の閑静な住宅地にあるBonnie Lenihan宅までタクシーを走らせ、ドアを叩くとBonnieが出迎えてくれました。想像していたよりおっとりとした女性だったのが印象的でした。

彼女は経済学のPh.D.という立場で心理臨床を「外」から観察した結果「中」の研究者には気づけない、または気づきたくない、気づいても気づかないふりをしてしまう、明らかな欠点を見つけ出し、パニック障害の効果的な認知療法を発見した、そう米国に入ってからの初めての食事で話してくれました。日本にない視点を持ち帰ることが今回の目的なので、この話を聞いて僕は大きな期待を持つことになりました。

続きます。

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