癒しを追及するカウンセラー・鈴木孝信の「心が強くなる心理学」

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自律神経のバランスを作り出す呼吸に大きな効果

      2016/05/07

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心拍のリズムをモニタリングしながら、自律神経のバランスが最も取れる呼吸を行う方法で、様々な症状が大きく改善しましたので、ご本人の許可を得てご紹介したいと思います。

呼吸法と言うと、腹式呼吸はじめ、様々な方法が昔から実践されています。今回とても役立ったものは、自分の心臓の動きをパソコン上で見ながら一定の呼吸を行っていくという、ハイテクな方法であり、臨床試験でも様々なストレス関連疾患に効果が認められている「HRVバイオフィードバック」法です。

方法はとても簡単で、合図に合わせてゆっくりとした呼吸をしていくだけです。何も考える必要もなく、小さな子どもでも容易に行うことができますし、いつでもどこでも実施することができます。動揺した時にも、調子のよい時にも、いつでもこの呼吸を1日10~20分程度行うことで、ストレスが軽減され、伴って生じていた様々な症状(医学的疾患含む)の改善が起こるのです。

東京多摩ネット心理相談室で、HRVバイオフィードバックの機器とソフトウエアを昨年導入して以来、この呼吸が精神的な問題にも、身体的な問題にも役立つことを見出してきました。今回ご紹介する方は、過去の度重なるトラウマを抱え、心身的に長くに渡り闘病されてきた方です。

この方に8セッションのHRVバイオフィードバック法のセッションを受けて頂きました。開始前、実施中、実施後に検査を行い(各種質問紙と※ロールシャッハ検査)その効果を客観的に測定しました。以下が質問紙の結果です。

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図:4つの質問紙における点数の変化

SCL90は、症状を全体的にとらえるチェックリストとしてよく使われます。この方の開始前の点数は167点でした。この点数は今までの相談者の中で最も高い点数です。8週間の治療から1か月後に再度測定したところ点数は93点まで減少しました。
人前での不安と回避する傾向を調べるLSASは56から44へと症状が軽減。うつの尺度であるBDIは33から12までおおよそ1/3となりました。変化がなかなか起こらないとされる完璧主義の尺度MSPSでは、69から56でその傾向が減少。気づきと自己受容を調べるFMIは23から26へとやや改善しました。

次にロールシャッハ検査(性格検査)の結果をご紹介します。ロールシャッハ検査はその人の心理的構造を調べるもので、なかなか変わりにくいとされます。しかし8セッションのHRVバイオフィードバック法により開始前と1か月後に前向きな変化が現れました。

・「何かしたい」とその行動の間に考えが入るようになった。
・気持ちを頭で無理に納得させたり、押し殺すことが減った。。
・空想をしてつらい現実にずっと向き合いすぎないようになった。
・頭だけで考えてどうするか決めていたが、自分の気持ちもそこに含めるようになった。
・感情的なことが多かったが、感情的にならないために、感情刺激を時に避けるようにもなった。
・自分への気づきが増した。
・身体的(性的)な執着が減った。
・他人をもっと肯定的に見るようになった。

たった8回のセッションでこれだけの変化をもたらすだけでも、とてお大きなことですが、それ以上に身体的に健康になったとこの方は話されています。体験談を送ってくださったので、ご紹介したいと思います。

※※※
受け始めて。ただ呼吸、ただ呼吸を、1日5 分2回だけなので難しいことなく毎回、どれが正しいのか? 模索しながらやっていました。最初は身体の変化が著しく変わったこと。心もあったかもしれませんが、まだまだ気づく力は、なかったと思います。身体は毎週ごとに変化が起き、確かお腹にガスがたまり気持ち良く出た? 夜寝られるようになり、頻尿が改善。呼吸だけでこんなことが起きることにただ、ただびっくりと、不思議さでした。精神薬を飲んでのむくみや、動けないための体重増加に私もかなり悩んでもいました。呼吸法受ける前までは、食べなくても全く減らなかったのに、5〜6キロ減りました。たった3、4ヶ月でこれだけ減るのは大きいです。今も少しずつ減っています。多分自分にとってベストな体重になるまで減るのかなぁと感じています。あと、確実に感じ取れたのが、薬の作用や体調不良でのむくみが取れた事です。これだけでもかなり楽になります。頭痛もほとんどなくなりました。特に終わりに近くなってから、身体の緊張度合いが本当にわかるようになりました。

そして気持ちは、前向きには、なりましたが治療中も何度も対人でおかしくなることもあり、苦しくなったりしましたがその時呼吸と先生に言われ今では生活の一部です。

そして身体の変化が顕著に変わった時期を過ぎた頃?私は気持ちや、言葉は全く変わってない気がしたのですが、周りが変わり、あれ?と思い、考えてみました。きっと、同じ言葉を言うことにしても出す時に違っているのかもしれないと。今までは、喧嘩越しになってしまったことも、穏やかになって行き、ケンカや、怒鳴ることや、自暴自棄が少なくなりました。でも、自分では、どこが変わったかわかりません。ただ生きていくのが楽になっていくのみでした。

最後のカウンセリングの時。ああ、また、あの気持ち悪い絵(ロールシャッハ検査)を見なきゃいけないんだ。鮮明に覚えているし、変わらないはず…と思っていました。いざ実際やってみると、自分自身、え?どうして?最初の時こう見えたのに、意識しても今はそう見えない、の連続でした。同じ回答もあったはずですが、気持ち悪さは、ありませんでした。
一つだけ、やはり同じ気持ちのままのカードがありましたが…。

終えてみて、私には、呼吸法は、一生続けていく宝となりました。人にすがりついてきたのだと思う今までから、(呼吸法やるまでは、誰にも頼らずひとりで生きているつもりでした)呼吸法にすがりつけることが出来、それだけで巡り会えたことに感謝だし、遅いかもしれないけど、今から、本当に自分の人生を楽に楽しく自分を感じながら、生きていきたい、生きていけるだろうとワクワクしています。

もし?(HRVバイオフィードバック法に)寝たきりの状態の時に巡り会えていたら、私はもちろんのこと、子供達の人生さえ違ったのではないかと今思います。薬を飲み続けても良くならないことを実感しました。薬は、ただその場抑えて一時しのぎでしかないこと。断薬は反動が大きいのを知っているので、これまでも減っては来ていますが、自分の体調みながら断薬していきたいと思います。投薬での副作用の酷さ、苦しみとてもわかるので、そんな方たちも先生に巡り会えたらと日々望んでいます。

それと現代社会、自覚なくとも、脳が疲れ、体調不良起こしている方沢山いるとおもいます。出来たら軽いうちに先生に見てもらえる環境になってくれたらと、切に願います。私は自分が思ったより、イヤ…思っていなかったのですが悪かったんだなあと改めてつくづく思います。気づけなかったんですね。

東京多摩ネット心理相談室では、HRVバイオフィードバックを使った心身の健康を目指すケアを行っています。ご興味がある方は、こちらにてお問い合わせください

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