癒しを追及するカウンセラー・鈴木孝信の「心が強くなる心理学」

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自律神経のバランスを取り戻す:HRVバイオフィードバックのグループ開始

   

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ゆっくりとした呼吸と心臓の動きをモニタリングすることによって、自律神経のバランスを取り戻す「HRV(心拍変動)バイオフォードバック」。自律神経がコントロールをする心臓に、呼吸によって直接働きかけ、その動きを意識的に少なからずコントロールすることで、自然にストレスのかかりにくい心臓-自律神経の働きを習得していく方法。昨年取り入れて以来、臨床経験を積み、やっと本日「HRVバイオフィードバックを使った集団療法」の開始に至りました。

厚生労働省は、ストレス関連疾患を次のようにまとめています。
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/003.html

これら全て、ストレスがかかりにくくなれば、その症状の軽減や、またもしかしたら疾患の寛解もあり得るでしょう。もちろん、医学的問題に対しては専門の治療を受ける必要はありますが、こういった方法は「自分は自分の病気に対して何もできない」という病気への態度から「自分で良くして行ける」といった希望ある態度へと変えてくれます。このことは特に慢性的に続く病状を患う方にとってはとても大切なことだと僕は考えます。また慢性的な病状に悩む方の中には「医学でさえもなにも出来ることがない」と感じている方も少なからずはいらっしゃいますが、そういう方にとっては、こういった方法は特に重要な役割を果たすことになるでしょう。

何か深遠な知識を得て「洞察」を得る必要はありません。また、何か新たに学ぶ必要もありません。普段生きるために僕たちがしている「呼吸」との関わり方を少し変えるだけで良いのです。それは時に、音源を聞きながらのちょっとした練習かもしれませんし、また日常生活の中でその呼吸のことを思い出してちょっとの間だけしてみることかもしれません。誰でも必ずすることが出来て、そして誰でも続ければその成果を得られる。とても希望が持てる方法だと僕は感じています。

ストレス軽減の指標として2つのストレス関連の質問紙、血圧(セッション前後)、そしてHRV(心拍変動)のデータを取り始めましたが、初回から参加された全ての方に血圧への良い変化が見られたのは幸先の良いスタートです。僕自身も、その呼吸を1分間するだけで、正常だけど高めの血圧が20近く下がりました。高血圧にこそ効果がある方法だとも言われています。

集団療法の利点は、一度の多くの方を、低額で治療出来ることです。HRVバイオフィードバックは、米国では実証もあり、効果も期待出来ます。こういった方法は、もっと広がるようであればやがては医療費の削減にも役立つ、社会的にも有意義で価値のあるものです。もっと多くの方に知ってもらえるよう、始まったばかりのグループで生まれる成果を報告していけたらと思っています。

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