癒しを追及するカウンセラー・鈴木孝信の「心が強くなる心理学」

鈴木孝信が贈る、欧米の最先端心理療法に基づいた、読むだけで心が強くなる心理学情報ブログ

*

心を強くするということ

   

photo-own-dark-brown

もっと強くなりたい。
多くの相談者の方が口にする言葉です。
もしかしたら、生きていて、困難なことに直面した時、そして打ちのめされた時、誰でも思うことかもしれません。

スポーツの世界でも未だにその傾向があると聞きますが、心の癒しにおいても「精神論(特に根性論)」的な考えを持つ方が非常に多いと思います。
心を強くするには「タフになる」そのような。
心身に無理を強いて、困難さを根性で乗り越えて、そして強くなる、そのような。

これは現代先進国にはびこる、ハイリスク・ローリターンな悪習なのかもしれません。
というのは、根性を駆り立てる意志は、気持ちではどうにもならないこともあるからです。
最近の調査では、意志(セルフコントロール)と前頭葉(脳の前の部分)の糖質量に関係があり、糖質量が少ないと、意志は働かないことが示されています。
例えばダイエット等で食事制限している場合、空腹を根性で乗り切るというのは、明らかな神経生物学的矛盾なのです。

新しい年が明け、1年の抱負を掲げる方も多いかと思います。
「強い心を持つ」
そのような抱負を掲げる方もいるかと思います。
そんな中で「強い心」を改めて定義し、それを得るために何をすべきなのかをお伝えしたいと思います。

●「強い心」とは?
「強い心」を次の4つの特性で定義してみたいと思います。

1・失敗から学べる
失敗したという事実を受け入れる過程で、現実がより見えてきます。
失敗にまつわる空想が1つ1つ事実でないことが分かり、剥がれ落ち、ありのままの現実が見えてくるのです。
この過程を踏んでいくことで、空想に惑わされない「強い心」が鍛えられてきます。

2・謙虚でいられる
我を強く持ち自分を曲げない、というのは精神論が語るハイリスク・ローリターンの空想です。自分を顧みず、自分が正しいことを信じ切っている心は、偽りの強い心と言えるでしょう。自分自身に謙虚になり、自分が正しいのかどうか疑いを持ち、現実の中の多くの側面を観察する心が真の「強い心」と言えるでしょう。

3・柔軟である
世界は、自分が思っている様に動くとは限りません。ともすると、自分が思っているのとは違った形で動くことの方が多いのかもしれません。「これはこれ、あれはあれ」と断定的に物事を決めつけてしまうと、自分の思った通りに物事が進まない時に、苦痛を感じてしまいます。断定的であることは、みかけの上の強い心です。実際は、柔軟性にかけており、適応的でなく、変化に弱い心を意味します。新しいことにどんどん挑戦していくこと、それが柔軟性を作り出し「強い心」を作り出していきます。

4・感謝ができる
感謝は希望をもたらしてくれます。自分の内外に潜む小さな(当たり前となっている)「感謝されるべき要素」に目を向けられると、困難な状況であっても希望を持ち続けることが出来ます。

以上4つの特性は、全て鍛えていくことが出来ます。
近年「マインドフルネス」の訓練がこれらの特性を高めてくれことで、癒しの世界でも、ビジネスの世界でも、欧米、そして日本でも人気が出てきています。
今年はあなたも「マインドフルネス」で「心の強さ」を育んでいってみてはいかがでしょうか?

★無料でマインドフルネスが学べる講座「マインドフルな集い」を不定期に実施しています。
http://suzuki-takanobu.com/post-350/

 - mindfulness, 心が強くなる心理学 , ,